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後援会の活動紹介ACTIVITY

2010/12/25 高2沖縄修学旅行前の平和教育レポート
写真は窪島先生による講演会の様子です。
この講演会により沖縄修学旅行は、
さらに意義深いものになったと思います。
 
 後援会では卒業生保護者をはじめとする特別会員の皆様からの永年会費を基にした独自活動を行っています。今回は、沖縄修学旅行前の高校2年生への「平和教育」の援助を行いました。担当の先生からレポートが届きましたのでご覧下さい。講師は窪島誠一郎先生です。先生は小説家の水上勉を父に持つ著作家であり、海城高等学校の卒業生でもあります。

 沖縄修学旅行前の平和教育レポート

 『四十過ぎまで、戦争を知らなかったことが悔しい。』
この講演の冒頭言である。
生きること。食べ物にありつくこと。若いころの氏は、生活が困窮して、戦争のことを考える術を持たなかった。四十過ぎて、『無言館』の活動を通して、初めて戦争の悲惨さを、見聞きするようになった。
『君たちは、幸せだ。若い成長期に、戦争について知り、そして、語れる。』

この私設美術館を、『無言館』と名づけたのは、
「これから、自分を語りたい、伝えたい、表現したい、という願いが、無残にも戦争によって引き裂かれた無念さを代弁した」と語り、
戦没画学生の遺作の収集に日本中を隈なく回られ、遺族を涙しながら、出征前の様子を聞かれた。

 尊敬する兄に対する妹は、
「兄に召集令状が届いたときは、もう兄は死を覚悟していました。出征を前にした兄は、私を庭にしゃがませ、何枚ものデッサンをした兄の姿が忘れられません。画紙を全部使い切ってから逝きたい、という兄の気持ちが、私にも通じました。」

 講演の最後に、鹿児島の知覧で、特攻に参加する若い音楽家が、久留米で、途中下車して、小学校のピアノに食いついて、鍵盤の感触を満喫し、特攻隊に加わった、というエピソードを紹介して、
「戦争の悲惨さ、平和の大切さ」を語る。

 この講演を聴いた生徒は、次の感想を述べている。
『明日にでも途切れるかもしれない生への貪欲さ(それは、絵筆を握り続けることによる心の安らぎ)を感じる。』
『絵を描き、ピアノを弾き、恋人との語らい、そのようなことが、戦争という悪夢に閉ざされた悲惨さ』
『いままで、漠然としていた、この10月の沖縄修学旅行は、何を見、何を体験し、何を語るか、はっきり見えてきた。』とも、語っている。

(注1)講演会は2010年9月7日に海城学園行動にて開催されました。昨年までは修学旅行先の沖縄で戦争体験者に語り部の話をお願いしていましたが、戦後65年が経過して高齢化が進んだため、新しい試みとしてこの講演会が企画されましたとのことです。
(注2)文中の無言館は窪島先生が館主を務める美術館で、第二次世界大戦で没した画学生のたちの残した絵画や作品、イーゼルなどの愛用品を収蔵、展示しています。下記のURLをご覧下さい。
  http://www.city.ueda.nagano.jp/hp/kanko/museum/mugonkan.html



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